屋上はさっきより風が強くなっていた。


「んで…なにか話すの?」


あたしは麻友に聞いた。


麻友は少し悩んだ素振りをした後、


「絢は…なんか心の中に隠してるもの…あるでしょ?」


…と、少しオブラートに包んで聞いた。


あたしは「言わない」と心の中で決めていた。


でもここで「なにも隠してない」と言っても麻友は疑う。


「えと…そこまでの悩みじゃないんだけど………数学のテストで赤点とって…笑」


必死についた嘘。


麻友は眉間にシワをよせた。


…絶対疑ってる…。


だって少しは感づいてるかもだし。


「赤点って…絢ってそんなバカだったっけ?笑」


でも麻友言った言葉は予想外の言葉。


ホッとした。


「まーね。数学は苦手で…。いい点数とったことが一度もない…笑」


ってかコレ実は本当だったりして。


「そーなんだ!じゃあ今日勉強会する?麻友と絢と…颯で!」


"…"この意味深な間はなんだ?


でも…麻友なりに気づかってる?


でも麻友は多分感づいてるハズだし…


なんでわざわざ颯とあたしを近づけようとしてるの?