そう。人間なんてそんなもんなんだから。
裏切るくせに。
信用できない。
昔は、男遊びを暇潰し間隔でしていた。
だけど……やめた。
男とヤるにつれて、虚しさが増える一方だった。
でも…あたしには仲間ができた。
本当に…本当に、大切な仲間が……。
ー…ガラッ
教室に着き、ドアを開けた。
そしたら、今まで煩かった教室が、急に静かになった。
そんな中、自分の席に座り、机に突っ伏して寝る体勢に入る。
……が、煩すぎて眠れない。
教室の女子が、わざとらしく少し大きめの声で陰口を言っている。
“ねぇ、あの女神条組の関係者らしいよ?”
“まぢ!?怖すぎるんだけどぉ。”
“だよねぇー。”
「チッ。うっさくて眠れもしねぇ。」
ドォン!!
バァン!!
机や椅子を蹴り飛ばして教室を出た。
少しやり過ぎたかな。
つい、頭にきてしまった。
そして、屋上に向かった。
ギィ……ーーー
誰もいない。
ついてるな。
カチッ
カチッ
煙草に火をつける。
ふぅー。
やっぱり、学校は面倒くさい。
今までサボっていたから余計にだが…。
少し、出席日数が気になったから登校してみた。
でも、もういいや。
一応来たし。
帰る。
…繁華街にでも行こうかな。
学校を出て、ふらふらと昼間の繁華街をうろついていた。
そしたら、誰かに声をかけられた。
しかも、聞き覚えのある声。
「帝。」
「…?」
反射的に振り返ると、そこに居たのは…
神条 苓士 Shinjo Reiji
あたしの兄貴。
指定暴力団綺劉会 神条組 若頭
「久しぶりだな。」
近寄ってくる。
どうせ仕事だろう…。
「何の用?」
「仕事だ。」
…ほら。
あたり。
「わかった。」
あたしたちの横には真っ黒の“いかにも”な車が止まっていた。
ガチャ…
「帝さん、お久しぶりです。」
車のドアを開けたのは組の奴等。
「あぁ。」
軽く返事をして車に乗り込む。
「ふっ。相変わらずだな、その愛嬌の無さ。」
苓士が鼻で笑う。
…うぜぇ。
「失礼な。」
「俺は本当のことを言ったまでだが。」
「…。」
「着きました。」
と運転手が言った。
バカでかい門をくぐると、和風の屋敷が建っている。
本家だ……。
ガチャ
「帝、行くぞ。」
苓士に引っ張られながら車を降り、屋敷の中に入った。
そして
その瞬間
「「「「「お疲れさまです!!」」」」」
爺たちが一斉にあいさつ。
それを、あたしたちは勿論スルーだ。
久しぶりに本家に帰ってきた。
今回は…
どんな仕事だろうか……。
屋敷内に入り、無駄に長い廊下を歩いていると…
「帝?」
1人の男に話しかけられた。
「はい?」
振り返ってみると、そこにいたのは……
神条組 若頭補佐
神条 鳳啓 Shinjo Takahiro
あたしの兄貴No.2
「久しぶりだな。餓鬼。」
相変わらずウザったい。
「うるせぇ。餓鬼じゃねぇ。なめんな。」
「いや、俺からみたらまだまだ帝は餓鬼だな。」
「…ちげぇし。」
「呼び出しか。」
「…あぁ。」
それから、頭の部屋へ行かなければならなかったから、鳳啓と別れた。
鳳啓side
いつものように本家の廊下をフラフラと歩く。
そしたら、遠くから女が歩いてきた。
…母さんか?
……いや、違う。
…誰だ…?
女との距離がだんだんと距離が縮まる。
そして、すれ違った。
…!!
すれ違いざまに女から匂った香り。
嗅いだことがある…。
キツすぎず、少し甘い大人な香りだ。
そして、金髪…。
……帝だ。
帰ってたのか。