闇に染まりきった少女に
光をさすのは
一体誰だ…?
碧劉
か
それとも
祥獸
どちらかなのだろうか。
それとも
違う人間か。
ピピピッ ピピピッ …
ドカッ
「んっ…ん〜。…眠た。」
しかもあたし、またやっちゃってるし。
あたしは、ほぼ毎朝目覚まし時計を止めるときに、力を入れすぎて壊してしまう。
本当に困った。
毎朝毎朝、壊していたらあたしはいつか破産しそうだ…。
何とか阻止しようとはしているものの、やはり壊してしまう。
「はぁ…。」
取りあえず、ベットから出て身支度をする。
顔を洗い歯磨きをしたら、着なれた制服に着替える。
朝ごはん…。
どうしよう…。
時間も余りない。
「んー。」
もう、いいや。
メロンパンを軽くかじって、家を出る。
ガチャ…
バタン
学校までは家から徒歩3分。
もう、すぐ目の前にある。
家(マンション)を買うときに、学校から近いところを探してもらった。
それにしても
…朝から気分が悪い。
「アイツ、神条だ。恐いなー。」
「近寄らないでおこーっと。」
「あ、可愛くね?」
「俺タイプかもー。」
「でも、病院送りにされるんじゃね?」
「ぎゃはははは!!確かにな。相手にもされねぇだろぉしな。」
…学校に着いた瞬間からこれだ。
これも、もう毎朝恒例のこと。
もう、何を言われようがどうでもいい。
ゆっくりと教室に向かう。
…あたしが、神条組の関係者だとバレたのは、1人の女が原因だ。
この高校に入学し、一番はじめに友達になった女。
ずっと一緒に居て、親友だと思っていた。
だから、あたしが神条組の関係者だということを言ってしまった。
あの女は、すぐにそのことを学校中に言いふらしたのだ。
そのせいで、組にも迷惑をかけてしまった。
……もう、あんな女の顔なんて見たくない。
今は、親父によって九州にとばされたらしいが。
「ねぇー。俺等と遊ぼうよ。」
「今夜、空いてるー?」
「付き合ってよ。」
まだ、あたしに話しかける馬鹿な男が居たんだ。
「悪いけど、他あたって。」
こんな奴等の相手してる暇なんてない。
「えぇー。じゃあ、せめて名前だけでも。」
「そうだよ。」
…名前……ねぇ。
「神条…って言ったらわかる?」
「「「…!!」」」
全員黙り。
「…クスッ…ねぇ…今から死にたい?」
ニヤリと笑うとさっきの男たちが
「「「すみませんでした!!」」」
と謝り、逃げていった。
そう。人間なんてそんなもんなんだから。
裏切るくせに。
信用できない。
昔は、男遊びを暇潰し間隔でしていた。
だけど……やめた。
男とヤるにつれて、虚しさが増える一方だった。
でも…あたしには仲間ができた。
本当に…本当に、大切な仲間が……。
ー…ガラッ
教室に着き、ドアを開けた。
そしたら、今まで煩かった教室が、急に静かになった。
そんな中、自分の席に座り、机に突っ伏して寝る体勢に入る。
……が、煩すぎて眠れない。
教室の女子が、わざとらしく少し大きめの声で陰口を言っている。
“ねぇ、あの女神条組の関係者らしいよ?”
“まぢ!?怖すぎるんだけどぉ。”
“だよねぇー。”
「チッ。うっさくて眠れもしねぇ。」
ドォン!!
バァン!!
机や椅子を蹴り飛ばして教室を出た。
少しやり過ぎたかな。
つい、頭にきてしまった。
そして、屋上に向かった。