『薫!俺さぁ、まじでバスケの選手になりたいんだ。』

いきなりの話だった。

『でもさ、その場合俺、日本から離れなきゃダメなんだ。』

『そっ、そうなんだ。』

『まだ、決まったわけじゃないけとさっ!ってか、ごめんね!付き合ってるわけでもないのに。』

私は、その言葉にちょっと落ち込んだ。

なぜかわからないけど。

『でも、私は龍斗が羨ましいよ。夢があって…。私は、何もない。』

『薫…。』

『今は、とにかく大学に行くことかな。本当は専門学校がいいんだけどね。』

『なんで専門学校なの?』

『資格取れるし、夢まだ決まってないからさ。』

『そっかぁ。』

今日は、暗くて真剣な話ばかり。

つまんないよね…。

『そう言えばテスト勉強どう?』

話を変えた。

『俺なんて勉強したって変わんないよ。バカだからさ!』

『そんなことないよ!』

龍斗は、軽く笑った。

それからは、沈黙のまま…。

いつもの別れ道。

『じゃあな。』

『うん、バイバイ…。』

このままでいいのかなって私は思った。