わたしが人生で1番長く続いた彼氏は2年半。
好きだった。
本気でこんなに人を好きになったのは初めてだった。
でも別れた。
わたしから。
だって束縛が激しくて、遊びにもあんまり行けなくて…。
それにまだ若かった。
まだまだ遊びたい。
でもそれが間違いのもとだった。
それからわたしは…寂しい生活を送る。
彼氏はできない、そして惚れやすい性格だからコロコロ動くわたしの恋。
傷つくことだって多い。
「里香~、週末合コンあるんだけど行かない~??」
わたしにこんな誘いはしょっちゅう。
暇だし、外見だって悪くはないし、酒も飲めるし、なんせ盛り上げれる。
これが呼ばれる大きな要素。
話すことだって苦手じゃない。
「いいよ~。」
電話口で誘ってくる孝子によい返事を出す。
わたしが合コンを断ることはほとんどない。
用事がない限りはいく。
だって恋、したいから。
女って恋してなきゃキレイになれない。
恋してたら振り向いてほしいってキレイになるじゃん?
わたしもそのタイプ。
スタイル維持、ファッション研究、メイク研究は怠らない。
キレイになるとそれなりの見返りがあるもの。
そう信じてた。
月日が経つ。
元彼と別れて1年。
2年。
3年。
未だにちゃんとした彼氏はできない。
ちょっと付き合ったりはしたけど彼氏とまでは。
好きになった人。
8人。
わたしは歳をとるごとに臆病になっていってた。
自分からメールや電話をすることができない。
若いときってあんなアクティブに動いてたのにいつの間にかすごくヘタレ。
どうして??
向こうから連絡くらいくるでしょって思ってる自分がいるの??
ううん、違う。
返事がそっけなかったり、返ってこなかったりするのがこわいの。
本当の臆病者。
なのに惚れやすいわたし。
9人目に好きになったのは大きなグループの営業。
3つ年上ですごく優しく、かっこよく、魅力的。
ちょっとケチってところがあったけど彼ならそんなのカバーできる。
そして家が近かった。
それをいいことにサシ飲みに誘ってみた。
わたしにしてはすごく行動的なこと。
なのにその日に言われた言葉。
「里香ちゃんって本当に話しやすいし、可愛いし、妹みたいで放っておけないな。」
妹…。
彼女としてみてほしいのに。
ショックを受けすぎてわたしは彼を二度と誘えなかった。
そして彼には彼女が出来、わたしの恋は終わった。
10人目に知り合ったのは合コンで知り合った彼。
雑貨の営業をしてた。
大好きな四駆の車に乗ってて、かっこよくて、オシャレ。
羽振りもよくて本当に魅力的すぎる最高の人だった。
彼から毎日連絡があった。
「ここで降りたほうがいいよ。こっから先、雨で水溜りいっぱいあるから。」
こんな気遣いをしてくれる彼に惚れた。
飲みにも行き、そこでキスをした。
そしてそのまま近場のホテルへ行き一泊した。
わたしは好きだった。
でも彼は何も言わない。
自分から告白なんて出来るわけがない。
クールに、そして何もなかったかのように装ってた。
そしてそれからもドライブとかに誘われた。
あれから一度、また関係を持った。
そしてそれからは3回に1回のペースくらいで関係を持った。
本当に好きだった。
でもある日、彼が遊ぼうと言った日に全く連絡がなかった。
心配して連絡したけど音沙汰なし。
その日、連絡が来ることはなかった。
嫌われたのかな?何かあったのかな??
すごく気になった。
でも…嫌われたのかもしれないからこわくて連絡することができなかった。
そしてそのまま彼とは終わった。
また、実ることなく。
惚れやすいのに全然先に進まない。
これじゃダメだってもう反省をした。
そしてまたわたしは恋をした。
25歳の春。
飲み会で知り合った同じ歳の人。
背は高くない、別にカッコイイわけじゃない。
でも優しくて、気がきいてて、オシャレだった。
最初は全然気になってなかった。
でも彼が毎日連絡をくれて、その2週間後くらいに遊ぶことになった。
わたしが飲み会の後に迎えに来てくれた。
「啓くん、ごめんね。迎えにわざわざ来てくれて。」
「いやいや全然ええよ。」
そしてわたしたちはどこかへ向かった。
向かった先はコンビニ。
「フレッシュなものを買って行かなきゃね。」
意味がわからなかった。
啓くんはジュースを買おうとしてたのでこれがフレッシュなの?と思いながらわたしもお茶を手に取った。
「ええよ、こんくらい俺が払う。」
お茶を取り上げる啓くん。
「いいよ、迎えまできてくれてるのに。」
「ええってこんくらい。」
そう言いながら啓くんはお茶を買ってくれた。
コンビニを出て渡されたお茶。
「ありがとう、ごめんね。」
「ええって。」
そう言ってわたしたちはまた車に乗り込み走った。
でもその5分後くらい。
到着したのは1軒の家だった。
駐車が慣れてることから間違いなく啓くんの家。
何で家?
やっぱりヤることが目的だったんだ。
あ~あ、こんな人か。
好きになる前でよかった。
そう思った。
そして部屋に入ると不思議なにおい。
何?このにおい。
お香???
でも違った。
啓くんはどっからか持ってきた小さな袋を持ってベッドに座った。
そして目の前に置いてあったポットみたいな上にそれを乗せ、火をつけ吸った。
初めて見る光景。
何してるんだろう??
でもすぐに気付いた。
マリファナだということに。
ここはヤバイ。
きっとこのままいたらわたしも吸わされることになる気がする。
わたしには経験がなかった。
「里香ちゃんもする??」
そう聞かれわたしはなぜか強がって
「もうわたし、それやめたから。」
なんて言ってしまった。
そして啓くんはずっと横で吸い
「だいぶキマった~。」
と言っていた。