その時の渚は物静かだった ただ百花にくっついているだけだった 百花が言うには人が苦手らしい 『うちが守ってあげるんだ』 百花はいった 「不破さん」 「不破でいいよ、加藤くんは」 不思議な子だった 「じゃぁ不破で、俺のことも加藤とか燐って読んで」 これが初めてまともに話した時 それからも俺は百花と話すたび渚とも距離を縮めていった