「そうだ、朔月君。折角だし、イルカのショウ見ようよ」



小さい魚の熱帯魚や大きい水槽に泳ぐ沢山の魚とサメを堪能した後。

ユラユラ揺れるクラゲを睨みつけていた朔月君に声をかけた。


もっと前に言っても良かったけど、朔月君の反応が楽しみで。
時間が迫ったから彼女の顔を除き込みながら聞いた。



『み…見る!』

「っ、…了解//」


期待以上の顔を向けられて、少し戸惑う。

輝く瞳で上目遣い…ヤバすぎるでしょ。





開始の1時間前なのに既に人がいてビックリ。

どうやらこの水族館のイルカショウは有名らしい。



なんとかまん前の席を取った俺は朔月君に座っているよう言うと、売店に向かった。

売店では魚系の食べ物が沢山売っていて、そのいかにもな品揃えに少し笑った。



「すいません、お茶と…コレ、下さい」

「あいよ。お茶とフィッシュラブドリームだね。630円ね」

「……はい」

「毎度あり」



なんとも可笑しな名前の飲み物をその場のノリと朔月君の反応の期待で買ってしまった。

お釣りと飲み物を受け取ると、朔月君の元へ戻った。