そんな嬉しいハプニングがあって暫く。

イルカのショウが始まった。



イルカよりも、ついつい横目で朔月君を見てしまう。

どんなにイルカが可愛くても。
どんなに凄いパフォーマンスをしていようとも。


彼女に勝る者はいない。



くさい男だとも、なんとでも言えばいい。
本当なんだから仕方ない。

俺じゃ、どうしようもない。




一緒にイルカを楽しみたくても、目が勝手に彼女へ向くんだ。



『わっ、おい、見たか慎二!高い!ジャンプ力高い!』

「…うん」



笑う彼女を見て…自然と笑う俺。


これを幸せって言うのかな。




『イルカすげぇ!』





俺は君のその魅力の強さが凄すぎて参ってしまってるよ。



『なっ!?三匹同時に、だと…!?』

「……」




それにしても朔月君。

小学生と同じくらいの感想だね…。