急に黙って私の方にジリジリと近づき始めるサク

「・・・な、何?」
「お前、男に気許しすぎじゃない?」
そして妖艶に笑うと、
もう後ろに進めなくなった私を捕まえる

「・・・ッ!?」
壁に背中をつけて硬直する私
ニヤリと笑う彼に固まる。

透き通るような瞳が

紅く煌いていたのだから。

その瞳が、哀しげに揺れたのに気づいてしまったのだから。


テラコッタの髪が私を光から隠すようにかかる

2人の吐息が重なり合う距離

掴まれた手首が熱い

怖い、より、なんで?

どうしてそんな顔をシテイルノ?

だれを、見ている、の?

生理的に堪えきれなくなる涙腺は

視界を揺らしていく