宣言通り3回連続でジェットコースターに乗り、お化け屋敷に入りたがる田宮を断固拒否し、ほぼ全部のアトラクションを制覇する頃には夕日が傾きかけていた。

「そろそろ帰らなあかんな」

田宮の一言に楽しかった気分が一気に降下し淋しさが襲う。
それも私は押し殺し、笑顔で言葉を紡ぐ。

「しかしよく遊んだねぇ」

私の言葉に田宮も「そうやな」って笑った。
そして視線を私の背後に送った。

「なぁ沙羅ちゃん。最後にあれ乗ろう」

田宮が指差したのは観覧車だった。

「あんた、ベタだね」
「ええやん。デートの締めくくりは観覧車って決まっとんねん」
「だから、それがベタなんだって」

私達はふふっと笑いながら観覧車に乗り込んだ。