思いの行方

結局なんの答えなんて見つけられないまま時間だけは過ぎて行き、デート当日となった。

田宮の気持ちも今日のデートの意味も分からないものの、楽しみに思う気持ちもあって。
昨夜はよく眠れなかった。
そして朝も早くから目が覚めたにも関わらず、着ていく服が決まらず気が付けば家を出なければならない時間になっていた。

「もうなんでもいいや!遅刻するよりマシ!!」

結局私はジーンズにキャミソール、その上にボレロを羽織り、少しだけヒールのあるサンダルを履いて家を飛び出した。

駅に向かう途中、私の頭の中は忙しなく色んな考えが交錯していた。

(やっぱりスカートの方が良かったかな・・・・でもあんまり可愛い格好なんてして行って『こいつ気合い入ってる』って思われるのもイヤだし、っていうか、どこ行くか聞いてないし・・・・、田宮の顔見て何話したらいいんだろ・・・・)

う~んと唸りながら歩いていると、駅が見えてきた。
その瞬間から私の頭の中からしょうもない考え達が一気に吹っ飛び、心臓のドキドキという音だけがやたら体の中で響いた。

(ど・・・・どうしよ・・・・すごい緊張してきた・・・・)

そうして視線を泳がすと、改札の前の人ごみの中に田宮の姿を見つけた。
一気に私の心臓はさっきより大きく跳ね上がった。
そわそわと落ち着かない程楽しみにしてたはずなのに、今すぐ回れ右して帰りたい衝動に駆られた。