「なーんだ・・・・私、バカみたいじゃん・・・・」

そう呟いた時には、すでに女の子の姿も田宮の姿もなかった。

からかわれているとも知らず、浮かれて真剣に行き先を悩んでいた私がバカみたいに思えた。

「田宮にデートの事言う前に気付いて良かったよ・・・・。言ってたらまたからかわれるところだった・・・」

そう言って自虐的に笑ったら、涙が溢れてきた。
なんか・・・自分が思ってた以上にショックを受けた様だ。

「ははっ・・・何泣いてんだろ・・・・からかわれたって知って・・・傷ついて・・・泣いて・・・・これじゃ、まるで私があいつの事、すっごい好きみたいじゃん！」


本当は日に日にあいつの事、好きになってた。
でも、そんな自分を素直に認めたくなかった。

「誰ともつきあう気はない」

そんなあいつの告白を聞いた今なら尚更・・・




認めたくなかった。