その後、私と勝俣は血まみれの少女を車のトランクに放り投げた。
そして散らばった車の破片を一緒にトランクに詰め込む。
幸いその時は雨が降りだしていて、血はある程度下水口へと流れていた。

それでも証拠は少なからず残るだろう、でも警察に捕まるのは勝俣だけ。
私はその場にいなかった、これで全てが終わる。
そう仕立てあげる為にも勝俣にはこの先協力してもらうことになる。

勝俣と私はすぐにその場を離れ、一番近い御岳山へと向かった。
沈黙が続く車内、勝俣の額には尋常じゃない汗が噴き出ている。
その焦りを見るのも私にとっては快感だった。

数十分後、御岳山へと到着した。
時間も深夜ということだけあって対向車は一台もない。

「さてと」

私はドアを開けて本降りになっていた雨に全身をうたれる。
衣服に付いた返り血がパリパリに乾いてしまってとれない。