マジかよ。



めちゃくちゃ面倒なヤツ。



金なら出してやるけど、病気とかだったらどうすんだよ…。



「あっ、シュリも歌うの好きだったんですよ。ずっと聞いてないけど」

「いつからしゃべらねぇ?」

「父さんが亡くなったのが3ヶ月前なんで、その頃から」

「3ヶ月!?今までどうやって生活してたんだよ…」

「家にあるもの売ったり…僕を売ったり?結構高値で買ってもらいました」



そういうことね。



だからあの発言…。



「そういうの、今日からはナシだからな。売りやってるようなアホ、うちには置けねぇ」

「澪王さんっていい人ですね。僕らの生活にかかったお金は、将来働いて絶対お返しします」

「期待しとく」

「じゃ、食べましょうか」



ユウリの作ったメシは俺の胃袋をガッツリ掴み、ますますユウリがカワイく思えた。



全く話さないし笑わないシュリの代わりに、ユウリが笑ってたくさんしゃべる。



なんだか胸が痛い。



俺には笑うユウリが辛そうに見えたから。