【シュリ】



熱を出したのは久しぶりだ。



なかなか帰ってこない澪王を待ってたら具合が悪くなってきて、勝手に澪王のベッドに潜り込んだ。



寒くて寒くて、澪王が帰ってきてホッとしてる。



自分の部屋で、薬を飲んだ後はマスクをつけられてベッド。



「今から熱上がるかもな」

「どうしたらいいの…?」

「寝ればいい」

「わかった…」

「明日は午後からだから、病院連れてってやる」



何にもいいことしてないのに、澪王が頭を撫でてくれた。



弱ってみるもんだ。



澪王が優しい…。



「ユウリはこのこと知ってんの?」

「知らない…」

「わかった。とにかく寝て、なんかあったら呼べ」



ペチッと頭に冷たいタオル。



寒いんだってば~…。



澪王の布団を離さなかったからなのか、澪王はあたしの布団を持って部屋から出ていった。



行かないで…。



そう言いたいけど、風邪をうつしたら怒られる。



コレ以上嫌われたくないし…。