俺の不機嫌なお姫様はお疲れなんですよ。



仕事が立て込んでいると、情緒不安定。



「はいはい、悪かったよ…」

「別にいいけどね。浮気したら澪王殺して、相手の女も殺すから」

「物騒なヤツ…」

「本気だもん!!」



怖いっす。



そして泣き出す。



やっぱり、シュリは精神的に弱い。



それは出会った時からだったけど。



「シュリだけだよ、俺は」

「もうヤダ!!お仕事疲れた!!もうやめるっ…」



なんとか宥めて、眠らせて。



俺の彼女は、手がかかる…。



そんな夜更け、小さくノックされたドア。



顔を覗かせると、立ってたのはユウリだった。



「どうした?寝れねぇ?」

「シュリは寝た?」

「あぁ、寝たけど…」

「少しいい?」



なにやら話があるらしい。



一緒にリビングで、向かい合う。



「僕ね、留学しようと思ってる」

「えっ!?」

「もう三年生になったし、そろそろ進路も決めなきゃいけないなって思ってる」

「留学って…」

「うちの学校、国際交流に結構力入れてるんだ」



ユウリがいなくなる…?