それって、きっと人それぞれだよね?



「俺が幸せにしてやる~!!とか、言わねぇのかよ!!」

「だってそれはシュリ次第だろ。お前が世界一幸せだと思ったら、それで夢は叶ったってことじゃねぇの?」

「そうだね…」

「まぁ、俺が与えられる幸せなら、与えてやるけど」

「じゃあ、さっさとシャワー浴びて汗流して、抱きしめて寝て。それがあたしの今の幸せだから」

「はいはい、わかりましたよ…」



シャワーを浴びに行った澪王の背中を見て、あたしは幸せだと思った。



だから、波風なんて立てたくないの。



澪王との関係を公にできる日まで、何事もなく過ごしたいの…。



そんなことを考えてたら、いつの間にか眠っていて。



レイさんから来た電話で、上半身裸の澪王に抱きしめられてることに気がついた。



「もうすぐ着くぞ」

「完全に寝坊した…。今から歯磨きするから、リビングで勝手にコーヒーでも飲んで待ってて…」

「10分しかやらないからな」

「ん…」



まだ起きたくないよ…。



澪王の寝顔をこうして毎日見れたら…あたしは世界一幸せだと思う。