わざと澪王にキツいことを言ってしまう。



怒ってるんだから、これくらい許してよね。



「あたしが子どもじゃなきゃ、堂々と恋人宣言できたのにね。バレたら澪王の立場、悪くなるよね」

「…………」

「あたしは平気だから」

「ごめん…」

「謝るなっ!!謝られると…浮気したみたいでムカつく!!」

「昔のことだって、開き直るつもりはねぇから。シュリを傷つけたことに変わりはない」



なんでそんなに優しいの?



あたし、傷ついてないもん…。



被害者じゃないもん。



「澪王は悪いことしてない…。謝ることないよ…」

「だったらなんで泣くんだよ。俺が悪いんだから、攻めまくれよ…」

「会えないのに?ケンカして、気まずくなるの?あたし、澪王がいないだけでも不安なのに。今は…ケンカなんてしたくないよぉ…」

「そっか、悪かった…」



今はただ、黙って抱きしめてほしい。



腕を伸ばして、澪王に抱き付くの。



いつもみたいに、頭撫でながら抱きしめて?