ママがいるにも関わらず抱きしめてくれた澪王に身を預ける。



澪王だ…。



あたしの澪王…。



「兄さんがシュリちゃん泣かせてるっ!!」

「希王さん、お久し振りです」

「ユウリくん、これって兄さんの浮気のせい?」



浮気じゃないもん。



昔のことだもん…。



「バカ希王…」

「えっ、僕?」

「澪王は浮気しない!!」

「そうだよね。なにげにシュリちゃんにメロメロだし」

「浮気なんてさせないから」

「そっか。じゃ、ふたりで話し合い?僕、ユウリくんと遊んでていい?」

「ユウリが希王に勉強教えて欲しいって」

「なら部屋に行こうか、ユウリくん」



希王とユウリはマジメだから気が合うらしく、友達みたいな関係だから。



あたしと澪王は…話し合いなのかな?



今日は帰らないつもりで来たけど…。



「よく話し合いなさいね?澪王が全面的に悪いんだから」

「わかってるっての…。俺らも部屋行くから。今日はこのまま泊まる」

「あら、澪王が実家に泊まるなんて珍しい。明日の朝ごはんは張り切りましょ~」



帰らなくていいんだ…。