それから数日、澪王から電話が来た。



「連絡できなくて悪かったな」

「うるせぇ、マジでムカつくから」

「ははっ、シュリ様はご立腹か」

「当たり前でしょ!?さっさと否定しろよ」

「一夜限りだって言って、相手の立場を悪くするわけにもいかねぇんだよ。大人の事情っての?」

「そんなもん知るか。会いたいのに…」



相手は売れっ子歌手だ。



澪王の言いたいこともわからなくはないけど、悲しい…。

 

会いたいよ…。



会って安心したい。 



あたしだけだって、そう言って抱きしめてよ。



「もう、あたしが彼女だって言ってよ!!」

「シュリ…」

「あたしだけだって、シュリがいちばん好きだって!!」

「言いてぇな。言えるもんなら、言いてぇよ」



澪王の立場、わかってるのに。



辛すぎて苦しいよ…。



「しばらく騒がれるだろうから、家には帰れねぇ」

「イヤだ!!会いたい!!」

「会おうか、どっかで」



会えるの?