片方は男だった。



もう片方は女で。



玄関を開けると、やたら美形のふたり。



「僕、藤代ユウリです。こっちが妹のシュリ。お世話になります」

「おぅ…」



てっきり男だけだと思ってたのに、無口な女がペコリ。



ふたりなんて聞いてねぇよ!!



「澪王さんですよね?ご迷惑にならないようにするので、よろしくお願いします」



礼儀正しい…。



女の方は無愛想だけど。



「部屋、こっち。ゲストルームにしてっから、ベッドあるし。風呂はこっちな」

「僕らにはもったいないくらいキレイですね」

「1階は仕事用に使ってっから、用事ねぇ時は立ち入り禁止」

「はい」



部屋を案内して、段ボールを運んだ。



ひとりひとつの箱の中。



少ない衣類だけが入っていた。



「とりあえず…メシにすっか」

「僕作ります」

「マジ?メシ作れんの?」

「家事は得意なんです。何か食べたいものとかありますか?」

「ハンバーグ!!」

「買い物行ってきます。お金ください」



あっ、そんな感じか…。