名前は澪王に似てるから覚えてる。



彼の名前はレオン。



「レオンさんですよね?ユウリがお世話になってます」

「カワイイから、ユウリ。今日は妹をヨロシクって律儀にメールくれたし」

「そうですか」

「噂通り、笑わないんだな」

「どんな噂か知りませんけど、生意気言うと、人に媚びるの好きじゃないんで。じゃ、お願いします」



フッと笑った彼に頭を下げ、準備に取り掛かる。



帰ったら澪王に甘えて、癒してもらうんだ。



だから今は頑張っていい仕事をしないと。



疲れた顔なんて、誰にも見せたくない。



「カワイイ」

「当たり前です」

「自信あるんだな」

「ありますよ。なきゃ、こんな仕事やってない」

「まぁ、俺もあるけど」



日本人には見えない見た目。



あたしと同じように、どこかの血がはいってるのかも。



キレイな顔。



彼が売れっ子なのがわかる気がする。



「シュリ、いい顔するね」

「仕事ですから」

「笑うと別人みたいだ」

「今だけは世界一カワイイの、あたし」



毎回そう思ってやっている。