【シュリ】



疲れ過ぎると、記憶が曖昧になる。



自分がなにしてるのかわからなくなって、仕事モードから抜け出せない。



それがなぜか澪王の顔をみるとオフに替わる。



澪王がそばにいると、甘えたくて、泣きたくなって。



安心するのかな?



「シュリ、大丈夫か?」

「余裕だよ、レイさん」

「寝ていいぞ」

「寝たら朝まで起きないかも。だから終わったら寝る」



体が着いていかない。



それは自分でもわかってる。



だけど今のあたしにできるのはこれしかないから。



だから全力でやるの。



「シュリ、仕事減らそう」

「なんで?」

「お前のことを考えてのこと」

「ヤダね。レイさんはあたしのこと信用してないんだ」

「そういうわけじゃない。お前が壊れたらどうする?代わりはいないのに」

「仕事してるの、最高に楽しいから。邪魔しないでよ」

「そうか。わかった…」



社長が持ってきてくれる仕事はハードだと思う。



ユウリだってやれてるんだから、あたしだってできるんだもん。