きっと、今まで告られたヤツには酷いこと言ってたんだろうな…。



それができない相手がレイ。



仕事のことをいちばんに考えてる。



「俺は別にバッサリ断ればいいと思うけど」

「でもっ…」

「同情した先になにがあんだよ。ズルズル返事先延ばしにして、なかったことにでもするつもり?」

「…………」

「俺的にも、レイにはちゃんと言ってもらいてぇけどな」

「うん、うん…そうだよね…」



離れないなにかが欲しい。



こんなにも不明確で、いつ崩れるかわからない関係なんだな、俺たちは。



心変わりしたら、そこですぐ終わる。



「不安っていうんだな、こういうの…」



涙と一緒にシュリの頬を撫でたら、丸い目が不思議そうに俺を見た。



俺のシュリじゃないんだ。



シュリはひとりの人間だ…。



「何が不安なの?」

「お前が俺の前からいなくなることかな」

「あたしは澪王が大好きだよ?真王さんに似てる目も、伸ばしてる髪も、声も、カラダも…全部好きだよ?」



だから不安になるなと…。