ユウリが敬語を使ってないことで、澪王に対する警戒心や遠慮が消えてるんだと実感。



気分がまた落ちる。



黒に包まれる…。



あたしなんかいない方が、ユウリは幸せだ。



あたしのために自分を犠牲にしたり、あたしのために泣いたり。



あたしなんかいなければ…。



そう考え始めたら、涙が勝手に流れた。



「涙止めとけよ、シュリ」

「うっさい…。泣いてない」

「はいはい」



澪王があたしにかけた言葉はそれだけだった。



30分程車に揺られ、見知らぬ場所。



「ここは…?」

「まぁ、中に行けばわかる」



白いビル。



ユウリはここがどこなのかわかってるの…?



エレベーターに乗り、廊下を歩いて。



澪王がひとつのドアを開けたら、真っ白に赤。



「何…コレ…」

「お前を守る手段ってヤツ」

「意味わかんない!!」

「今から俺らのCDジャケット撮影。毎回俺が手がけてるわけ」

「だから?」

「今回はお前らを使う。学校には承諾もらってんだ。今の保護者は親父。お前に拒否できる要素はねぇ」



あたしとユウリを…?