澪王に買ってもらった服を着て、リビングに行くと、平日なのにユウリも私服。



「顔洗ってこい」

「なんで…?」

「出かけっから」

「どこに?どこにも行きたくない」

「早くしろ。時間ねぇんだから」



怒ってる!!



でもユウリも一緒みたいだし、ついて行くだけならいいかな…。



顔を洗って歯磨き。



自分でも無愛想だと思う。



笑えって澪王は言うけど、どうやって笑ったらいいかなんて忘れてしまった。



あたしの人生、くだらないしつまんない。



更に不細工になった顔で、澪王の待つリビングへ。



「行くぞ」



どこに行くのかもわからぬまま、澪王の車に乗った。



革張りのシートは体が沈む。



お金持ち…。



「緊張する…」

「気楽にな」

「無理だよ。僕、あがり症だし」

「ははっ!!絶対ウソだろ~」



なんかユウリと澪王、仲良くなってるし。



めちゃくちゃ気にくわない。



あたしばっかり…のけ者…。