【シュリ】



なんだか澪王が澪王じゃない!!



こんな甘いこと、する人だったかな…。



「あっ、雪…」



見上げると白い雪がパラパラ降り始め、あたしは澪王の腕の中。



空も飛べそうなフワフワ感と、あたしを支配する澪王の匂い。



「幸せだなぁ…」

「珍しいこと言う」

「パパが生きてたら、もっと幸せだったな…」

「反対されるかも、俺との関係」

「パパはそんなに器の小さい人間じゃないもん」

「ははっ、だろうな」



その後、どちらともなくキスをした。



お互いの冷たい唇がなんだか気持ちよくて。



「好き…」

「俺も好き…」



すごく幸せ。



あたしほど幸せな人間はいないんじゃないかと思うくらい、幸せ。



「シュリ、いい匂いする」

「エステ!!アロマオイルで超スベスベ」

「プールは?入る?」

「プールなんてあるの!?一緒に入る!!」

「水着ねぇからマッパだぞ?」

「それはなんかヤダな…」

「だろ?じゃ、ゆっくり風呂入ってメシ食おう」



楽しすぎる…。