シュリの要望に応えるべく、上着を着て湖の周りを散歩。



雪でも降りそうな寒さに身震い。



「ここ、誰も来ない?」

「私有地だから」

「意味わかんない」

「この辺一帯が親父のものなの。だから誰もこねぇ」

「へぇ~、なんか寒いね」



興味ねぇなら聞くなよ…。



まぁ、寒いけど。



「あの辺凍ってる!!行こう!!」

「オイっ、走るなっ!!」

「氷だ氷~!!」



日陰に向かって走ってったシュリにヒヤヒヤ。



転んでケガでもされたら社長になんていいわけしたらいいか…。



「冷たぁい!!」



ザ·無邪気。



マジで連れてきてよかった…。



こんなシュリ、滅多に見れねぇな。



「おっきい氷取れた~!!」

「楽しい?」

「うんっ!!」



キス、してぇな…。



むしろドロドロに溶け合いたい。



ヤバいな、俺、惚れてんだな。



「シュリ」

「なにっ…ちょっ…」

「寒くねぇ?」

「寒い…けど…」



抱きしめたシュリを、上着の中に閉じこめた。



好き、マジで…。