ユウリも笑顔の裏に、暗い何かを抱えてる気がしてた。



シュリだってそうだ。



まだ16だろ?



普通、そんなことがあったら立ち直れなくなったっておかしくねぇ。



それを平気な顔して慣れてるだなんて…。



俺が出した大きな声に、ユウリが何事かと言った顔で起きてきた。



「お前が大事にしねぇなら、俺が大事にしてやる」

「えっ…」

「いいか?次そんなことがあったら、傷つくのはお前じゃなくて、大事にしてる俺だ」

「そんなのヤダ!!」

「うるせぇよ。俺は俺のやりたいようにやる。ユウリもだぞ。お前らになにかあったら、俺が傷つく。だから…もう少し、自分を可愛がってやれよ」



静かになったリビング。



ポタポタっとユウリの目から涙がこぼれた。



「澪王さんっ…僕っ…もう疲れたっ!!シュリを守って行かなきゃって、僕はお兄ちゃんだからって!!だけどっ…僕ひとりじゃ…」

「俺がいんだろ。肩の力抜け、ユウリ」

「うぁぁぁ~ん」



ガキってのは、苦手だ。