帰ったのは明け方。



リビングのソファーにシュリが小さくなって眠っていた。



猫かっつーの…。



「オイ、風邪ひくぞ」

「澪王…なんか臭い…」

「女の香水の匂いだろ」

「なんで?」

「ヤってきたから?」

「最低。死ねよ、ハゲ」



キレイな顔してとんでもねぇこと言ったな…。



ん?



「お前、コレどうした?」

「襲われそうになって、暴れた時にケガした」

「は!?」

「なんか、派手なギャルに恨まれてて。男取ったとか言われてて」

「それで?」

「ふたりの男にあたしを襲わせようとしたの。だから思いっきり暴れて逃げたよ」



平気な顔してなにを…。



それ、淡々と語れる話じゃねぇだろ…。



「大丈夫か?」

「うん、慣れっこ」

「バカか!!そんなもんに慣れてんじゃねぇよ!!ユウリもシュリも…何でもっと自分を大事にしねぇんだ!!」

「大事に?自分を大事にしたら、傷ついた時に可哀想でしょ?だから、大事になんてしない方がずっと楽」



なんなんだよ、コイツら…。