あたしはただ、言われたままに仕事をすればいいんだもん。



そうすればお金が入ってくる。



自分で稼ぐことができるから。



「とにかく頑張れよ?」

「うん、澪王もあたしに会える日まで頑張ってね」

「ははっ、やっと元気出たな。じゃ、またな」

「うん、バイバイ」



電話を切ってから暗闇でCDをかける。



安眠材料のように、澪王の声を聞きながら眠る。



好き、この声、大好き…。



目を閉じて澪王の声を聞いてると、いつの間にか眠っていて。



いつもはユウリが起こしに来る朝が、今日は少し違っていた。



「仕事の時間だ。早く起きなさい」

「んぁっ!?誰っ!?」

「今日からマネージャーになった須藤 レイ、前に会っただろ」

「あっ、社長の息子…」

「その呼ばれ方は好きじゃない。レイさんでいい」

「レイさんね、了解。シャワー浴びたいんだけど」

「時間がない。朝食の準備はできているから、食ったら出発だ」



ケチ~!!