これで少しは他のことに目が向くだろ。



「鬼だな、お前…。自分の女、仕事漬けって…」

「仕方ねぇだろ。俺だって時間取れねぇんだから」

「まぁそうだけど…。だからって…」

「シュリのためにはそれがいちばんだ」



会ったら甘やかしてやるけど。



とにかく頑張ってもらいます。



2日後、シュリが退院したと連絡が入った。



その次の日、午後から休みを入れたので会いに行った。



「澪王さん、お待ちしておりました」

「シュリは?」

「自室で睡眠を取ってらっしゃいます」



寝てんのか…。



社長の家の家政婦に部屋には来なくていいと伝え、初めてシュリの部屋に入った。



これはまた…メルヘンな…。



お姫様が出てきそうな部屋だな…。



ピンクの天蓋付きベッドに、小さくなって寝ているシュリがいた。



布団から出てる腕には点滴の針の後。



体力、大丈夫か?



「シュリ、起きろ」

「んっ…澪王ぉ?」



相変わらずカワイイ声…。