ユウリはわかってくれる気はしてた。



シュリは絶対泣くだろうということも。



「ここ出たら行くとこないもん!!」

「俺が決めてきたから」

「ヤダヤダヤダっ!!絶対ヤダ!!澪王なんて嫌いっ!!」



泣きながら走って逃げた。



自分の部屋のドアを思い切り閉めた音が聞こえる。



とりあえず、ユウリとため息。



「僕らはどこに行けばいい?」

「ふたりで賃貸も考えたけど、社長んちがベストだろ。家政婦いるからメシの心配もいらねぇし。リンリン連れ込めなくなるくらいだな」

「3ヶ月くらい余裕だよ。お預け期間とか、楽しいね~」

「あははっ…」

「シュリのことは僕に任せて。澪王さんが説得に行ったら逆上することは目に見えてるし」

「大丈夫か?」

「僕はお兄ちゃんだからね」



今回ばかりはユウリに任せることにした。



俺が今シュリになにを言ったって、アイツが聞く耳を持つわけがない。



いちばんシュリをわかってるユウリに任せるのが賢明だと俺も思う。