ビックリしたシュリに駆け寄られても、抱きしめる力も出ない。



「お仕事は!?」

「俺抜き」

「お昼食べられる…?」

「いらね…」



喉が痛くてなにも口にしたくない。



部屋に行き、薬を飲んでひたすら寝た。



「澪王さん?夜ご飯シュリが一応作ったけど…」

「ユウ…?」

「うん、心配だったから見に来ちゃった」

「メシは食えねぇ…。明日食うって伝えていて」

「わかった。熱は下がったみたいだね。まだ寝る?」



頷いて目を閉じて。



そのまま朝まで起きなかった。



「あぁぁぁぁ~…」



よし、声もかなりよくなってる。



体は多少ダルいものの、動ける程度だと思う。



「うるしゃい…」

「シュリ!?」

「元気…なった…?もういい?」

「心配だった?」

「うん…。澪王が病気とかヤダから…」



隣に勝手に潜り込んでいたシュリが泣きそうだった。



それほど想われてるんだと実感して、風邪をひくのも悪くないと、少しだけ思った。