デカい目が心配そうに俺を見ている。



今日は歌う仕事がないので、声は関係ないわけだけど。



「よくなった…?」

「悪化…してる…」

「なにその声!!ひどすぎない?」



体は熱いし、声はこれでもかというほどハスキー。



今がピークかもしれない。



「仕事は何時から?」

「8時半に出る…」

「行けるの?」



行かなきゃダメだろ。



俺ひとりで迷惑かけるわけにもいかないし。



頷いたらムッとした顔。



「帰りは早い?」

「たぶんそれなりに」

「休めないの?」

「ん」

「ご飯作って待ってるからね?」



やっぱり究極に優しいシュリに困惑する俺。



明日は嵐にでもなるんじゃなかろうか…。



「バッグに薬あるからくれ」

「病院行ったの?コレって熱冷ましじゃん!!一時的にしかよくなんないでしょ!!」

「ごまかせんならいいと思って…」



夏の疲れが溜まってんのかも。



でも仕事があるわけだし。



頑張らなければ…。