私が星華女学院に入学してから、あっという間に一ヶ月が過ぎた。
隣にいるのは、この学校に入学して直ぐに仲良くなった後藤麻由。
彼女とは席が隣り同士で入学式の日に友達になった。
「ねえ、美羽あそこにいるの槇野先生じゃない?」
麻由の指さす方に目を向ける。
「3年のお姉さま方に囲まれてるね~」
「相変わらず、槇野先生かっこいいよね……」
「そうだよね、今日って数学あったっけ?」
「二時間目にあるんじゃなかった?」
「はぁー、何で数学かな……槇野先生に会えるのは嬉しいんだけど」
「美羽、数学苦手だったっけ?」
「うん、嫌いー…」
「フクザツだよねぇ……」
「そうなんだよね、会いたいけど数学の時間きてほしくない……」