僕は公園のベンチに座っていた。



昨日までは僕がお見舞いに行くと話しもして一緒に笑ったんだ。




でも……お母さんは、もう話しもしないし笑ってもくれない。



「お兄ちゃん、泣いてるの?ケガしたの?」



「え?」



小さい女の子が目の前に立っていた。



「これ、あげる」



少女が僕に差し出したのは4つ葉のクローバー。



「さっきね、見つけたんだ。
持ってると幸せになれるんだよ!」



「…、――ぅ…!」


誰かを探す声が聞こえ、思わずその方を見てみた。



「あっ、やっぱりここにいた…。」



「あっ、ママだ!」


どうやら少女の母親だったらしい。


少女は僕にクローバーを渡すと行ってしまった。




この時、この少女が僕には天使に見えたんだ――…