アイツに会えないまま、当日を迎えた合同祭。



その日の朝は、いつもより早く目覚ましを鳴らして念入りに身支度を整える。



合同祭のこの日は、制服以外のパーティドレスを着用するドレスコードになっているから。


朝からお風呂に入って身支度を整えると春休みに、
お父さんとお母さんと一緒に買いに出かけたパーティドレスをクローゼットから引っ張り出した。



華京院家の運転手さんが、玄関チャイムを鳴らして私を迎えに来てくれる。


玄関を開けて外に出ると車の中から宝珠さまは、
微笑みながら私に視線を向ける。


ふいに紀天の自宅の玄関ドアが勢いよく開いた。


寮生活の紀天が出て来るとは思えなかったけど、
睦樹おじさまの姿を見たらドキっとした。


出勤前であろう睦樹おじさまは、
私の方に視線を向けて声をかける。



「学院祭、後で親友とお邪魔するよ。
 晃穂ちゃんもドンドン素敵な女性になっていくね。

 さぁ、今日は紀天は捕まるかな」



睦樹おじさまの隣には玄関から手を振る咲空良おばさま。



そんな二人に出会って乗り込む宝珠さまの送迎車。



紀天も逢えるの楽しみにしてくれてるかもって
少しでも期待した私が、バカだったの?



学校までの道程をいつもの様に、
ティータイムをしなが過ごした後、
車は迎賓館側のロータリーへと吸い込まれていく。


ロータリー周辺には次から次へと、
海神校や昂燿校の生徒たちを乗せたバスが到着する。



バスから降りた色鮮やか盛装した生徒たちは、
迎賓館の方へと移動していく。




バスの中からは、色鮮やかに盛装した生徒たちが
迎賓館へと向かって歩いてくる。