「……自分の気持ちもハッキリしてないのに、動いたりもできない。ここまで自分から遠い人を、すきになったこともないしさ」

「……ふーん……」



歳も自分より上で、いろんな人たちから人気があって。

ていうかそもそも私、恋愛に関する経験値超少ないんだよ。どうすればいいの!


はぁ、と深いため息をつきながら、多少どんよりした気持ちで窓枠に寄り掛かっていたら。



「──じゃあさ、」



綺里ちゃんが右手に持ったバナナオレを、ぴしっと私に向けた。



「沙知も、みゃーくんに相談してみたら?」

「……へ?」



思いがけないそのアドバイスに、私はぱちぱちと目を瞬かせる。