「──それでですねー、それ見て私思わず、『タイムリープか!』って叫んじゃって」

「ぶわはははははは!! ちょ、やめてサチちゃん、マジで苦しい……っ」



私の最近起きたことで1番笑えた出来事を、身振り手振りおもしろおかしく聞かせると、鎌田先輩は期待以上の反応で爆笑してくれた。

ベンチに座ってはいるものの、両手でおなかを抱えて前屈みになりながら、ひーひー言っている。



「そして実はその謎の文字、うちのおばあちゃんが関わっていまして……」

「ちょ、死ぬ、腹筋が崩壊して死ぬ……っ」

「私ももう、どうしてそういうことになったのかわからなくて……」

「あははははははっ!!」



おお、こんなに笑ってもらえるなんて、ちょっと予想外だ。

足もジタバタと動かし、ひとしきり笑い終えたらしい鎌田先輩が、涙を浮かべたまま私に視線を向けてきた。



「いや~サチちゃん、予想以上に“持ってる”ねぇ」

「ふふふ、ジュースおごってもらっちゃいましたしね。見返り程度には楽しませます」

「あは、腹筋痛くて死ぬかと思ったけどね」



そう言ってまた笑った鎌田先輩は、はーっと何かを再確認したかのような表情で、息を吐いた。