「ごめんなさい先生。私、先生の都合も考えないで、こうやって押しかけてきちゃって……」

「あ、いや篠岡さん、」

「あの、迷惑だったら、断ってくれても全然……」

「迷惑なんかじゃない!!」



思いがけず大きな声が出てしまって、自分でもハッとした。

見ると、言われた本人である彼女も、驚いたように目をまるくしていて。

しくじった、と自分に対して舌打ちしたくなりながらも、俺は言葉を続ける。



「ごめん、急に大きな声出して。……でも、篠岡さん。僕は、放課後生徒がこうしてわざわざ自分を訪ねてきてくれたことを、迷惑だなんて思ったりしないよ」

「………」

「ただ、これだけは先に伝えておくと……雛瀬さんが言ったみたいに、篠岡さんに対して、僕にいいアドバイスができるかどうかはわからないけど……」

「………」

「それでも、いいって思ってくれるなら。僕でよければ、いつでも相談にのるよ」