「あの……恋愛相談、なんですけど」



どこか恥ずかしそうにしながら篠岡さんが話した内容に、ガツン!と頭部を、鈍器で殴られたような気がした。

思わず痛みだしそうな頭を抱えたくなりながらも、俺はようやく、口を開く。



「ああ、うん、そう、恋愛相談、ね………えっと、詳しく聞かせてもらえる?」

「あ、はい。えっと実は私、1つ上の先輩をすきになっちゃったみたいなんですけど……」

「……うん」

「それで、あの、接点も何もない人だし、どうやったら今より近づけるのか、わからなくて……」

「……うん、そっか」



なんだこれ、俺の失恋決定、はやすぎないか?

もじもじとスカートのプリーツをいじる篠岡さんはとてもかわいい、……けど、その口から飛び出した現実はあまりにも残酷だ。

少なくとも、彼女に好意を抱いている、俺のような男にとっては。