ああうん、みなさんの言いたいことはわかりますよ。

『何さらっと女子高生に恋してんだよこのロリコン教師』、って?

……はい、返す言葉もございません。



「ええっと……篠岡さんは、どうして今日ここへ来たのかな。授業に関する質問?」



緊張しているらしい彼女の様子を察して、俺は努めてやさしい声音で話しかけた。

ぴくりと、篠岡さんのうすい肩が震えて。

ひざの上のこぶしを握りしめた彼女は、おそるおそる、という様子で、俺を上目遣いにうかがう。



「いえ、あの……今日は、宮内先生に相談があって」

「相談? 僕に?」

「はい」



……なんだろう。篠岡さんが、俺に相談なんて。

相談、というくらいなのだから彼女は何か悩みを抱えているのだろうけど、自分のすきな女の子に頼られていると知った俺は、この状況で不謹慎にも若干受かれていた。


俺の返事にうなずいて、それから、少しだけためらうようなそぶりを見せた彼女は。

意を決したように、また俺の目をまっすぐに見つめる。