「そんなの…!
意味わかんない!!」
よしのはきゅうに立ち上がった
「あたしは、だいわのこと
友達としか思ってない!」
ああ、やっぱりね
オレたち友達じゃなくて
告ったら、付き合えたかな…?
「…もう!一緒にいれないから」
そういったよしのは
なんで悲しそうな顔をするの?
「じゃあね…」
そういって去っていった
グイッ
オレは無意識で
よしのの腕をつかんでいた
「なに!?離せ!!!」
「…離さない
よしのの答え聞いてない」
よしのは
ぱっ、とオレから目を背けた
「答は…
あんたの気持ちに応えられない」
「そっか…わかった…」
オレは心の何処かで
よしのもオレの事
好きなんじゃないかって思ってた
「あー!!
なんでお前はネガティブなんだ!?」
帰り道、今日の事を
すべて雅人に話した
「オレだって好きでなってんじゃねーよ」
「んまあ、次の恋に行こうよ!
茜と大和は似合うと思うよ!」
そう言って雅人は笑った
そういえば、
よしのに告った日も茜は休んでいた
今日で一週間も休んでいる
「なーに?大和、茜が心配?」
まじで!雅人!エスパーか!
「えっ、いやー。まぁ、うん。」
「ははっ。じゃあさ、お見舞い行こう!」
先生に住所を聞いて
茜のお見舞いに行くことにした
「いやー。大和が見舞い行くとわな!」
ニヤっと笑いながら雅人が言った
「は?オレだって心配だし」
「次の恋に行くんですかー?」
まじでからかうのやめろ、雅人
いまでもよしの好きだし
よしの、最近見ないな…
「なあ!大和
最近のよしの、やばいらしいよ」
深刻そうな顔で言った
「なんかさ、
彼氏つくらなくなったて、よしの」
え…?なんで…!?
「学校と授業サボりまくって
男と遊んでるらしい!」
なんでだよ
よしの、前よりタチ悪くなってんじゃん
『川上』という表札がある
茜の家についた
玄関のチャイムを鳴らすと
茜のお母さんが出てきて
2階の茜の部屋に案内してくれた
「茜、クラスの子がお見舞い来てくれたわよ」
ドアが開くと
ベッドに座っている茜がいた
「来てくれてありがとう!」
思い切り笑っていた茜だったけど
少し痩せていた
「体大丈夫?
辛かったら寝てていいよ」
「そうだよ茜!
大和めっちゃ心配してたんだぞ!」
「ほんと!?大和!」
茜はぱあっと明るい顔になった
「ただの風邪なんだけどさ、
なかなか治んなくって」