「ねえ、こっちみて?」
「無理」
「なんで?」
「…やだ」
「みてくんないの?」
「うん」
頭を掴まれてぐいっと顔をあげられた。
あっ…ぷ…。
ガバッ
とすぐに下を向いた
近い!顔!
ケラケラ笑ってる小島コーチ。
ほんっとにわたしの反応みて楽しんでるこのひと。
もうっ!
あーもうっ!!
「顔…あつ…」
なんて言っちゃったもんだから
「え、あーほんとだ」
なんて言って頬を触ってくる…
「ねえ」
「…はい?」
「ほっぺにちゅーして?」
「無理です」
「じゃあしていい?」
「…はい」
なんで、はいって言ったのか
今でもわからない
ほっぺにちゅーされた
ほっぺよりもっと唇の近く…
「はい、次まゆちゃんの番」
ちゅっ
て
ほっぺにちゅー
恥ずかしくて下向いて
でも顔がみたくて上を、向いたら
すぐそこにコーチの顔があって
なんか
止められなくて
どちらともなく
キスをした…。