「玲ちゃん、もう入部決めてくれてるってほんと!?」


なんだこれは。
私と龍はおめあての野球部の新歓でも完全に浮いていた。
とにかく入部の人数を稼がなければいけないらしい。

入る気ゼロのキャッキャした女の子もたくさんいたし、
どうやら出会い目当ての新入生男子もたくさんいた。
もちろん上級生も。


「はい。高校でもマネやってたので」

「まじかぁー!玲ちゃんみたいな可愛い子が入ってくれるとほんとにうれしい!飲んで飲んで!かんぱーーーい!!!!!」

こんなんで大丈夫なんだろうか。
本当なら龍とこっそりすみっこに居たかったけど、
肝心の彼は「キャッキャした女の子」たちに包囲されていた。

あまり社交的なタイプではないものの、
いわゆる「イケメン」に分類される彼。
ぱっちり二重に長いまつげが昔からうらやましかった。


「お酒大丈夫なの?無理しないほうがいいんじゃない?」