心の中で悪態をつきつつも


陸にすっぴんぼさぼさを見られたことも
彼が今ちらかった私の部屋にいることも
事実であってかわらない。


そーっとお茶セットを運んでいると
私の部屋のドアが開いた。


本当にこの子はとっても気が利く。


「ごめんね、汚いけど、適当に座って」


「急におきざりにされるから焦ったよ。女の子の部屋なのに」


ごめんごめんと適当にあやまりながら、
ささっとベッドを整えて、申し訳程度に散らかっていたプリント類をまとめる。


「熱さがった?龍も誘ったんだけどね、断られた」


「もう大丈夫。微熱だったから。わざわざありがと」


お茶を注いで、お菓子をすすめる。
きまずい。

カップをソーサーに置く、カチャカチャをいう音がやけに大きく聞こえる。