「じゃあ俺が玲をデートに誘ってもなんの問題もないわけだね!」


「当たり前じゃん、別れたんだから。どこいくの?」


「とりあえずディナーとかから始めようと思う」


「私いい店知ってるよー。彼に連れてってもらったとこ」


え?え?
「待って、待って!なんで私を無視して話すすめんの!」

楠木くんと美鈴は二人して
なんか文句あんのかって顔をしてみせる。


「あんたはね、ずっとコイツのそばを離れないからいけないのよ!
ちょっと陸に世の中の男女交際のなんたるかを教えてもらいなさい」


余計なお世話だ。
だいたい「世の中の男女交際」についてなら
無駄に経験豊富な親友のおかげで大体わかってるつもりだし。


にこーっと笑う楠木陸と、あきれ顔の美鈴、なぜか爆笑の龍。

そして、焦る私。

困って龍をみると

「でも部活とバイトで玲はデートする暇なんてないじゃん」