「つまり――レヴァレンド邸の使用人たちは――蘇らせた死者を生きながらえさせるために殺されたのだ、と?」

「そういうことになります」

 青ざめたエリーシャは、すとん、とクッションに腰を落とす。

「エリーシャ様。カーラが蘇らせてくれたわたしのかすかな記憶の中に――クリスティアン様がいたような――申し訳ありません」

 ますます血の気が引いて、卒倒しそうになっているエリーシャの手を、ダーシーが取る。

 その時、誰も近づけないように命令していたはずの図書室の扉が叩かれた。室内にいた皆が顔を見合わせると、ジェンセンの声がする。

「入室の許可をいただけませんかね?」
「何で今日に限って普通に扉から入ってくるわけ?」

「いや、いつもの通り寝室に落ちたんだけどさー。いないから、控え室にいた侍女ちゃんたちに聞いたらこっちだって言うから歩いてきた」

 だから、皇女の寝室というかベッドの上に転がり落ちるのはどうなのだろうと思いながら、アイラは父を室内に招き入れた。