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次の日。
須賀がケガをしたことはすぐに学校中に知れ渡り、今朝やっていたワイドショーよりも大騒ぎ。
須賀の診断は右肩脱臼。全治2週間。
「須賀!大丈夫なの?」と登校してくるなり、みんな須賀の周りに集まる。
「余裕だよ」
その右肩は白い布で固定されていて、みんな気になるのは〝あのこと〟
「全国大会はどうするの?出場をやめるって噂もあるけど……」
全国大会まであと1か月。
つまり須賀は2週間練習できないということ。
どう考えても残りの数日でコンディションが整うはずもないし、顧問の長谷川先生は来年もあるからと、須賀に出場の取り止めをすすめたらしいけど……。
「出るよ。大丈夫だから」
須賀の答えは決まってこれだけ。
「じゃあ、チャイムが鳴ったから席に着けー!」
担任が叫びながら教室に入ってきた。
「えっと、須賀がちょっと昨日ケガをしたのはもう知ってると思うけど。右手が自由に動かせないからみんな手助けしてやってくれ」
「はーい」
担任も内心はガッカリしてるんだろうな。
だって、あんなに須賀を応援してたし。
須賀は全国大会にはなにがなんでも出るっていってるけど、それが思い出作りじゃないことはわかってる。
万全じゃない状態で結果が残せる甘い世界ではない。